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『凪のお暇』は、後ろを向くことも肯定してくれる

凪のお暇 4 (A.L.C. DX)

たまには
後ろも向かなくちゃ
自分がどこにいるのか
わからなく
なっちゃいませんか

※『凪のお暇』4巻 #二十三円めより引用

私は、たった1冊のマンガの中の、たった1つのこのセリフに、救われた気がしました。

今回は、私のどこか後ろ向きな人生も悪くないなと思うきっかけになった『凪のお暇』という作品をご紹介します。

物語のあらすじと、セリフが出た背景

この作品は、どんな時でも場の空気を優先してしまう主人公・大島凪の、人生リセット物語です。

「わかる」が口癖の彼女は、本当はお弁当を持ってきているのに、職場の同僚からランチに誘われればそちらを優先。自分の仕事じゃないことも、断れば空気が悪くなるので引き受けます。

そんな空気読みのプロフェッショナルである彼女には、営業部のエースの彼氏がいるという切り札が。「なんだかなあ」という日々を充実したものに見せてくれる唯一のカードだと彼女自身も認識していました。ある時その彼の口から衝撃的な一言を耳にし、過呼吸になります。

そのまま会社を辞め、彼氏からも距離を置き、しばしのお暇をとることにする、というのが物語の始まりです。

そして冒頭のセリフは、そんな彼女が転職活動中に出会った女性 坂本龍子に向けて放ったもの。ブラック企業の実態から目を背け「前向きに」就職を試みようとする坂本が、彼女の言葉に踏みとどまり自分を見つめ直す、というストーリーが繰り広げられていました。

「臆病な自分は必要とされていない」という呪縛

「後ろを振り向いている暇があるなら、前見たら?」

要約するとこうなる言葉を、私はこれまでの人生で何度も言われてきました。そして、こう言われるたびに思い続けてきたのは、「私はなんてダメで臆病な人間なんだろう」ということでした。

私は小心者で、何をするにも地盤がしっかりしていなければ前に進む勇気が出ません。でもなぜか、常に新しいことに挑戦したり企画が求められる仕事に携わるという矛盾を抱えています。また人間関係もこれまでたくさんの人とこじらせてきているので、新しい関係を構築をするときは慎重にもなります。

しかし、仕事にしても人間関係にしても、地盤がしっかりするのを待っていてはチャンスを逃してしまうし、なによりそんな人間を周りは待ってくれないというのも、これまでの人生でなんとなくわかってきたつもりです。

じゃあどうするかとなったら、凪のように空気を読み、前だけ見て進む姿勢を見せる。つまり、必要とされていない臆病な自分を封印するんです。こうすることで、私がここの社会に必要だと思わせないといけないと思ってきました。

でも実際のところ、上手くいった試しはありません。「前だけ見て進む」という、本来の自分とはかけ離れた姿勢を貫き通すことは、自分へのダメージが大きすぎるからです。 

だからこそなのか、過去を常に振り返り、前に進めない、その社会の空気に合わせられない自分が嫌で仕方ありませんでした。「臆病なダメ人間」だというレッテルを貼られているようで。

でも、そのレッテルを貼っているのは自分自身なのだと、凪のお暇を読んで、改めて感じたんです。

後ろを向くことで前に進める

結局のところ、「臆病なダメ人間」というレッテルを貼るのもはがすのも、自分次第なんですよね。

と、簡単に言いましたけれども、このレッテルをはがせなかったから、転職しまくっている私がいるわけで。

でも、冒頭のセリフを読んだことで、臆病なダメ人間の私でも、実はほんの少しずつ前に進んできたことに気づけたんです。

両面テープ+のり+セロハンテープでびっちり貼られた、私の「臆病でダメ人間」レッテル。この作品を読んで、爪でセロハン一枚をちょびっとだけはがせたような、そんな気分になれたんです。

たまには、後ろを向くという自分へのやさしさを

過去を振り返る、後ろを向くという行為は、なんだかネガティブにとらえられがちですよね。というより、自分自身がそう強く思ってきたのだと思います。

正直、「つらいな」「しんどいな」と思うこともたくさんありました。でもそれをなんとか乗り越えてきたという過去の自分が、今の自分につながっているんです。

後ろを向くことは、自分のこれまでの努力とか頑張りという功績を振り返ることなんじゃないかと思います。それこそが凪の言う、「自分がどこにいるのか」を確かめる行為なんじゃないか、とも。

「後ろを向くこと」は、「自分を大切にすること」だと思います。だから、「後ろを向く」という自分へのやさしさを、自分が肯定してもいいのではないでしょうか?

これから先の長い人生、悩み、苦しむことがたくさん待っているはずです。きっと、楽しいことばかりの人生を歩む人はそうそういないと思います。

そんな、ちょっと自分がつらいなと思った時に、凪のこのセリフが、自分を支え困難を乗り越えるヒントをくれるような気がするのです。  

 

凪のお暇 1 (A.L.C. DX)

凪のお暇 1 (A.L.C. DX)

 
凪のお暇 2 (A.L.C. DX)

凪のお暇 2 (A.L.C. DX)

 
凪のお暇 3 (A.L.C.DX)

凪のお暇 3 (A.L.C.DX)